これまでに目上の人から「お金の勉強をしろ」と言われた経験はありませんか?そう言われても、お金を勉強するメリットがわからないと、すぐに手を付けられないものです。また、お金の勉強に興味はあっても具体的な勉強方法がわからず、なおざりになっている人も多いでしょう。
ここでは、お金の勉強に興味がある人や上手な資産運用の方法を知りたい人に向けて、お金を勉強する必要性やメリット、具体的な勉強方法を解説します。
目次
なぜ、お金の勉強が必要なのでしょうか。単刀直入に説明すると「お金を勉強するのは損をしないため」です。お金の仕組みは非常に複雑であるため、お金のことを何も知らないと損をする恐れがあります。
上記を知っている人と知らない人とでは、数年後の資産が全く違います。お金に無知な人は無駄なお金を支払うことになり、金銭的に余裕がある人生とは無縁になるかもしれません。お金についてきちんと学べば、お金に困らない人生がはじまるでしょう。
お金の勉強が必要な理由は、損をしないためと説明しましたが、日本は海外に比べてお金に関するリテラシー、つまり金融リテラシーが低い傾向にあります。家計の管理や資産形成、各種保険やローンなど、お金に関する知識などのことを指すのが金融リテラシーですが、日本においては、高齢者は一定高いものの、若年層など年齢が下がるにつれて低くなっていく傾向があると言われています。
と言うのも、日本は金融に関する教育が少ないことが理由として挙げられます。アメリカやイギリス、フランスなどといった先進国では、必修科目として金融教育が取り入れられることもあるため、日本に比べて金融リテラシーがおのずと高くなっていると言えます。
日本の金融リテラシーが低いと、少しずつ認識され始めており、自らお金に関する勉強をし始める方も増えつつありますが、他国に比べるとまだまだ少ないと言えるため、日本人は積極的にお金の勉強をする必要があります。
金融リテラシーとは、お金に関する知識や判断能力のことを指します。金融リテラシーが高いと、金融に関するトラブルや消費者ローンの利用が少ない傾向にあります。
また、経済ショックなどへの耐性も、金融リテラシーが低い人に比べて高いと言われていることから、お金に関する勉強を自ら取り入れ、金融リテラシーを高めることが大切であると言えるでしょう。
お金の勉強をする目的には「人生の三大資金に対する準備」「節税・節約」「資産運用で利益を得る」などが挙げられます。
この人生の三大資金には、4,000~5,000万円が平均である住宅資金、子どもの教育資金として平均1,000万円、老後2,000万円問題として話題にもなった老後資金が含まれます。いずれも大きな金額であるため、お金に関するリテラシーが無いと、思うように貯めることができません。
もちろん、ライフスタイルによっては不要と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、必要と感じたときに用意できるよう、金融リテラシーを高めることも重要であると言えるでしょう。会社員の場合、所得控除について理解しておくことで、税金を抑えることができるなど、節税につなげることも可能です。
お金の勉強をする上で、多くの人の目的となるのが「資産運用で利益を得る」ことではないでしょうか。資産運用と言えば、株式投資や不動産投資、FXなどが挙げられますが、NISAやiDeCoなどを勉強も兼ねて少額から始めてみることで、投資経験を積むこともできるでしょう。
「お金の勉強」と一口に言っても、貯金・保険・住宅ローン・税金・年金・不動産投資・株式投資・先物取引・FX・仮想通貨など、さまざまなジャンルがあります。そのため、お金を勉強することに決めても、どのジャンルから手を付ければよいのか悩む人は少なくありません。
勉強するお金のジャンルは、自分にとって興味があるものを選びましょう。自分が興味を持てる分野でなければ、勉強すること自体が長続きしません。ジャンル選びに迷う人は、貯金・税金・生命保険など、自分の生活に身近な分野を選ぶとよいでしょう。
すぐに資産を増やしたい場合、不動産や株式、FXなどの投資を選んでしまいがちです。しかし、投資で利益を得ることはそれほど簡単ではありません。お金を増やすことよりも、最初は無駄な支出を抑える方法や効率的に貯金する方法を学ぶべきです。
お金の勉強と言うと最初に投資が浮かび、資産が少ない自分には無縁だと考える人もいます。しかし「無駄なお金を支払わず損しない」「今よりも収入が増える」など、お金を勉強することには日常生活に直結するメリットがあります。
ここからは、お金を勉強することで得られるメリットを解説します。
資産運用を考えるとき、お金の知識はとても重要です。お金の知識がなければ、効率的に資産を形成することができません。
資産運用の方法には、海外投資や投資信託など、さまざまな種類があります。最近は、以前に比べて金融商品や投資法も増えました。資産運用の方法として銀行預金を考える人もいますが、今の日本ではほとんど利息が付かないため、銀行に預けているだけではお金を増やすことはできません。
せっかく資産運用をするのなら、より高い収益を上げられる方法を知るほうがお得です。
お金の勉強を通して知識を身に付けることで、資産運用の選択範囲が広くなり、より効率的に収入を増やせる資産運用の方法を選べるようになるでしょう。
貯金の基本は節約であり、節約とは無駄な出費を減らすことです。欲しいものを我慢することが節約だと思われがちですが、生活に不可欠ものを我慢する必要はありません。ただし、ギャンブルなどの無意味な浪費は無くすべきです。
無駄な出費の中には、国や行政に支払う税金も含まれます。実は納税額を抑えられる方法があるのに、その節税方法を知らないために、税金を支払い過ぎている場合もあります。
お金について勉強すれば、支払うべき費用の取捨選択や節税対策ができるようになり、無駄な出費を抑えられます。節約や節税によって浮いたお金は貯金に回しましょう。そうすることで、ゆとりのある生活を送りながら、効率的にお金を貯められるはずです。
金融リテラシーを高めるための勉強をすることで、お金に関する将来の不安を減らすことができます。
先述した人生の三大資金に対する準備など、漠然と大金が必要なことはわかっているけど、どのくらい必要であるか、どのように用意していけば良いのかを勉強を通して知ることで、不安も解消されるでしょう。
お金の勉強を始めるとを決めても、巷にはさまざまな勉強方法があるため、どの勉強方法を選べばよいか迷う人は少なくありません。
お金を勉強する方法は、大きく3通りに分けられます。ここからは、「専門書籍や投資本を読む」「塾や通信講座に申し込む」「専門家・投資家が開催する講演会やセミナーに参加する」といった3通りの勉強方法について、メリット・デメリットを含めて解説します。
また、その他にも4つ、お金の勉強方法を簡単にご紹介しますので、比較検討して自分に合う勉強方法を見つけてください。
専門書籍や投資本を読むことは、お金の勉強方法の中で比較的に始めやすい方法です。空いた時間にお金のことを勉強できるため、忙しくまとまった時間が取れない人でも無理なくお金の勉強を始められます。
【専門書籍や投資本を読むメリットとデメリット】
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専門書籍や投資本を利用した勉強方法の注意点は、本の選び方です。お金に関する本はたくさん出ていますが、難解な内容の本も多く、おもしろさを感じられないことで挫折する人もいます。最初は初心者向けにわかりやすく噛み砕いた内容の本を選び、徐々に難易度を上げるとよいでしょう。
本を読むことが苦手な人や定期的に学びたい人は、塾や通信講座を利用するとよいでしょう。いざお金のことを学ぼうと思っても、独学だけでは難しい場合もあります。また、自分ひとりの力ではお金の勉強を続けられる自信がない人も少なくありません。
塾や通信講座は最初に授業料を支払う分、「途中で受講をやめるのはもったいない」という状態へ自分を追い込むことができ、独学よりもお金の勉強が続けやすくなるでしょう。
【塾や通信講座を利用するメリットとデメリット】
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塾や通信講座は、お金に詳しい人から直接教えてもらえるため、勉強による成果が出やすいと言えます。ただし、塾に行くとなると、仕事帰りや休日などに参加できるようスケジュールを調整する必要が出てきます。塾に通うことが難しい場合やまとまった時間が取れない場合は、通信講座を利用するとよいでしょう。
「お金の勉強に興味はあるけれど、継続して勉強を続ける自信がない」という人は、専門家・投資家が開催する講演会やセミナーに参加しましょう。基本的にセミナーは単発の開催となるため、お金を勉強する暇がない人も気軽に参加できます。
【講演会やセミナーに参加するメリットとデメリット】
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お金の勉強は奥が深いため、講演会やセミナーを一度受講しただけでは、勉強の成果を上げることは難しいでしょう。とはいえ、専門家や投資家の話を直接聞けることは、とても貴重な機会です。投資家の体験談などを聞くことで、お金に関する専門知識を深められます。
「お金に関する正しい知識を学びたい」という人には、専門家や投資家による講演会・セミナーへ参加することをおすすめします。
有識者がそれぞれの見解を持ってお金に関する情報を、初心者にもわかりやすく解説している動画も多いことから、YouTubeなどの動画コンテンツでお金の勉強をすることもおすすめです。
気軽に始めることができたり、お金がかからなかったり、普段からYouTubeを観ている人にとっては簡単だったりといったメリットがあります。対して、誰でも投稿することができるため、中には信用できない情報や古い情報を発信しているチャンネルもあり、情報の取捨選択ができないと、誤った知識を付けてしまうことになります。
どのチャンネルが信用できるのか、自分にとってわかりやすい解説をしているのかは、自分なりに見つけていく必要があると言えるでしょう。
ファイナンシャルプランナー(FP)や証券アナリストなどといったお金に関する資格取得を通して勉強することもおすすめです。
具体的な目標が無いと進めることができない方には特におすすめな方法と言えます。資格の受験日も決まっているため、期限を設けて計画的に勉強をすることが可能です。また、これらの資格を取得するための勉強も、本やYouTubeなどの動画コンテンツから学ぶことができます。
ただ、注意しておきたいのは、あくまで資格取得はお金の勉強をするための手段であり、目的ではないことを忘れないようにすることが大切です。目的が資格取得になってしまうと、合格するための丸暗記になり兼ねないことから、本来の目的であったお金の勉強という目的を達成することができなくなってしまいます。
YouTubeなどの動画コンテンツと同様で、TwitterやInstagram、TikTokといったSNSでもお金に関する情報を発信しているアカウントは多く存在しています。また、SNSからWebサイトへ勧誘しているアカウントも中にはあり、Webサイトでは1つのテーマに対してより多くの情報を掲載できることから、わかりやすい構成でしっかりとまとめられている傾向にあります。
このようにSNSやWebサイトもお金の勉強方法として挙げられますが、YouTubeなどと同様に誤った情報を発信しているアカウントやサイトもあるため注意が必要です。SNSは1つの投稿が短く、要点をまとめているものも多いため、通勤時間や休憩時間などの隙間時間で勉強することができるのは大きなメリットと言えるでしょう。
お金の勉強や投資に慣れることができるため、リスクの小さい少額投資から始めてみるのもおすすめです。少額でも実際に自分のお金で投資をすることで、投資の仕組みをはじめ、どういったことを覚えたり、調べたりする必要があるのかを理解することができるでしょう。
初心者向けの投資方法として、株式や投資信託などで得る運用益が非課税になるつみたてNISAや一般NISA、老後のための貯蓄を賄うことができる個人で積み立てる年金のひとつであるiDeCo(個人型確定拠出年金)などが挙げられます。このように、国が資産形成を始めやすいように作った制度を活用することで、リスクを抑えた投資が可能となります。
お金の勉強をする際には、「目的を明確にする」「勉強だけではなく実践する」といったポイントをおさえておくことが大切です。
「人生の三大資金に対する準備」「節税・節約」「資産運用で利益を得る」などがお金の勉強をする目的であるとご紹介しましたが、小さい目標を立てることでモチベーションアップにもつながるため、「マイホームを建てたい」や「〇歳までに〇円貯めたい」などといった目標を立てるようにしましょう。
また、過去を振り返ってみると、受験勉強などでは試験のための勉強だけではなく、実際に過去問を解いていたりしたかと思います。お金の勉強も同じで勉強だけではなく、実践も取り入れることが大切であると言えます。実践することで気づけなかったポイントや深堀りしたい分野なども見えてくるため、少しづつ実践していくように計画を立てましょう。
お金の勉強は、日常生活に直結するほど大事なことです。これからの資産形成を考える際にも、お金の勉強が欠かせません。
お金を勉強するメリットには「無駄なお金を支払わずに済むため損をしない」「節約や節税に繋がって貯金しやすくなる」などが挙げられます。
お金を学ぶ方法は「本を読む」「塾・通信講座を利用する」「講演会やセミナーに参加する」の3通りに分けられます。それぞれのメリットとデメリット、注意点を踏まえて、自分に合う勉強方法を選んでください。