不動産投資のやり方|初心者が知りたい運用手順やメリットをご紹介

不動産投資は、不動産の所有・売却以外に、不動産の運用による利益も見込める投資商品です。資産運用でお金を増やすだけでなく、アパート経営にも興味を持っており、不動産投資のやり方を知りたい人も多いのではないでしょうか。

不動産投資を始めるためには、事前準備や物件探しにしっかり時間をかける必要があります。しかし、大きく成功した場合は、運用益・売却益による高い収益性が見込める投資方法です。今回は不動産投資のやり方や始める前の準備から物件選び・管理・運用までの手順、メリットなどについて解説します。

1.不動産投資とは?

不動産投資とは、不動産物件を購入して運用し、収益を得る投資方法のことです。不動産投資は投資対象となる不動産物件の購入から始まり、購入した不動産物件を売却することで終わります。

不動産投資で得られる収益は、運用益(インカムゲイン)と売却益(キャピタルゲイン)の2種類で構成されます。

運用益 運用益とは、不動産物件を貸し出すことで得られる家賃収入のことです。賃貸物件の入居者集めに成功すると、運用益による安定した利益を得られます。
売却益 売却益とは、不動産物件を売却したときに出る利益のことです。売却益は物件の売却価格そのものではなく、売却価格から物件取得価額・譲渡費用・特別控除を差し引いた差額を指します。

売却益は、建物部分の耐用年数による減価償却費や地価変動で収益が大きく変わります。そのため、不動産投資では一度きりの利益である売却益よりも、継続的な利益を生む運用益に主眼を置くことが一般的です。

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2.不動産投資のやり方・流れ

不動産投資初心者の人が実際に不動産投資を始めて成功するためには、不動産投資の流れを把握したうえで、事前準備や物件探しをしっかりと行うことが大切です。ここからは、不動産投資を始めてから物件購入・運用するまでのやり方・流れを、4つの手順に分けてわかりやすく紹介します。

2-1.始める前の準備

不動産投資を始める際は、「自分が何のために」「どのような投資を行うのか」を明確化することが重要です。不動産投資を始める前に行うべき準備には、下記の2つが挙げられます。

●投資目標を設定する

不動産投資を行う前に、まずは投資目標を設定しましょう。投資目標は投資によって得られる成果のことであり、以下の3つが骨子となります。

  • 何のために投資するか
  • いつまでに達成するか
  • いくらの利益を出すか

「老後の安定した生活を見据えて10年後までに3,000万円を稼ぐ」「投資資金を増やすために2年後までに400万円を稼ぐ」などが、投資目標の一例です。

●投資スタイル・戦略を設定する

投資目標を設定できたら、目標を達成するための投資スタイル・戦略を具体的に設定します。少なくとも以下のポイントについては決めておきましょう。

  • 物件購入時に金融機関のローンを活用するか
  • 賃貸併用住宅として住宅ローンを借りるか、投資目的の不動産投資ローンか
  • 自己資金は十分か
  • 投資期間はいつからいつまでか
  • 投資対象物件は近隣か、遠隔地も含めるか
  • 運用益と売却益のどちらを重視するか
  • 入居者探し・管理はどのように行うか

物件購入から管理・運用までの投資スタイル・戦略を設定することで、実際に不動産投資の活動を行うときに迷いなく動けます。始める前の準備を行うとともに、不動産業界の動向についても情報収集することが大切です。

2-2.物件探し

準備段階で設定した投資スタイル・戦略をベースに、不動産投資のために購入する物件を探します。物件探しは、以下の流れで行いましょう。

  • (1)インターネットで物件を探す
    不動産投資の対象物件は、インターネットを活用すると手軽に探すことができます。インターネット上で不動産投資のポータルサイトを利用し、収益性が期待できる利回り物件を探しましょう。不動産投資のポータルサイトでは、エリア・物件タイプ・価格帯・利回りなどに分けて物件を表示することが可能です。ポータルサイトは複数利用して比較し、地域における土地の価格相場や路線価・公示地価も調査しておきましょう。
  • (2)不動産会社に問い合わせる
    気になる物件が見つかったら、不動産会社に問い合わせます。物件が購入可能な状態であるかだけでなく、入居者の情報と空室率、最後の外壁塗装は何年前かも尋ねることが大切です。入居者が少ない、または塗装工事が直近で必要となる物件は、購入直後のキャッシュフローがマイナス化する可能性があります。
  • (3)物件の確認と収益シミュレーションを行う
    実際に購入する前に、必ず自分の目で物件を確認してください。入居者がいる物件は内見できないことが多いものの、外観や空室状況はチェックできます。同時に、賃貸運用時の収益シミュレーションも行いましょう。入居率100%時の収支が投資目標を下回っていないことを確認しつつ、目標を達成するためには空室率を何%に抑えるべきかも計算します。その際、ローン返済のシミュレーションを行うこともおすすめします。

2-3.購入の手続き

購入する物件が決定したら、不動産会社に物件の購入申し込みを行います。まずは買付証明書を提出して購入の意思を示し、以下の流れで購入手続きを進めましょう。

  • (1)不動産投資ローンの申し込み
    物件の購入申し込み時に、不動産投資ローンの事前審査も申し込みます。事前審査が承認されて物件の売買契約手続きに進むと、不動産投資ローンの正式な申し込みが可能です。本審査承認・融資額決定後に、不動産投資ローンの契約が締結されます。
  • (2)契約手続き
    物件の売買契約手続きでは、売買契約書に記載された物件情報・契約内容や添付書類に誤りがないかを必ず確認しましょう。売買契約前には、宅地建物取引士による重要事項説明も行われるため、疑問点・不明点は質問してください。納得できる契約内容であれば本契約を交わします。
  • (3)残金精算
    残金精算とは、物件購入にあたって支払いが済んでいない金額を決定し、決済することです。物件購入価格から支払い済みの手付金・内金を差し引き、残金を不動産投資ローンの融資金で決済します。
  • (4)火災保険の加入
    不動産投資ローンを借りて中古マンションを購入する場合、火災保険の加入がローンの借入条件となるケースがほとんどです。保険会社が提供する火災保険の補償範囲を確認し、立地条件によっては火災保険だけでは対策しきれない災害も起こり得るため、地震保険などの特約設定も検討しましょう。

2-4.物件の管理

購入物件を賃貸経営し、入居者から家賃を回収することが、運用益を稼ぐ方法です。賃貸経営においては、物件の維持管理や入居者管理を行う必要があります。賃貸物件の管理方法は、大きく分けて3種類が存在します。

  • ●自主管理
    自主管理は、物件の維持・管理・運営などの賃貸事業すべてをオーナー自身で行う方法です。管理会社を通さないため管理手数料がかからず、管理コストを抑えられるというメリットがあります。一方、設備破損や入居者間・近隣住民とのトラブル対応などを自分で行う必要があり、時間や手間がかかる点はデメリットです。
  • ●サブリース
    サブリースとは、管理会社が物件を一括でオーナーから借り上げて、入居希望者に転貸する方法です。物件が一括で借り上げされるため、転貸時の空室に関係なく安定した家賃収入を得られます。賃貸管理を管理会社に任せられることもメリットです。
    ただし、サブリースでは管理会社の設定した保証賃料が収入となります。保証賃料は満室時の85~90%が相場であり、満室を見込める物件では収益性が低下することがデメリットです。
  • ●管理会社委託
    管理会社委託とは、オーナーが管理委託料を支払って、管理会社に物件の管理運営を依頼する方法です。物件管理の経験・ノウハウが豊富な管理会社を利用することで、物件の適正な管理・運営ができます。
    管理会社委託のデメリットは空室リスクがあることです。入居者を集められるかは管理会社の手腕次第であり、物件管理に精通した管理会社を選ぶことが重要となります。

3. 不動産投資のメリット・デメリット

不動産投資をこれから始めたいと考えている方は、メリットやデメリットについてもしっかりと把握しておくようにしましょう。

3-1. 【メリット】収入源が得られる

不動産投資の大きなメリットとして挙げられるのは収入源が得られることです。
不動産物件を貸し出すことで得られる運用益(インカムゲイン)で毎月安定した収入が見込めます。また、一度限りの利益ではありますが、売却することで大きな収入も得ることができるでしょう。

3-2. 【メリット】節税対策になる

所得税などの節税対策になることもメリットの一つです。
不動産投資は、初期費用として不動産購入時の不動産取得税や登記費用が発生するため、経費が収入より高くなってしまいますが、本業の給与所得と相殺することで節税になります。

3-3. 【メリット】不動産を購入すれば生命保険の代用になる

不動産購入時にはローンを組むことになりますが、同時に団信とも言われる団体信用生命保険に加入することにもなります。
この団体信用生命保険は、名義人が死亡したり、大きな障害が残ったりした場合にローン残高が0円になります。ローン残高は無くなっても、不動産物件を家族に残すことができるのはメリットと言えます。

3-4. 【デメリット】初期費用やランニングコストがかかる

不動産投資はどうしても、不動産購入の初期費用や管理などのランニングコストがかかってしまいます。簡単には始められないと言われる要因は、これらのコスト面とも言えるでしょう。

3-5. 【デメリット】空室時には収入がなくなる

不動産物件が空室になると収入が無くなってしまうのは大きなデメリットです。また、それが続いてしまうとローンの返済も間に合わなくなってきてしまうため、空室にならないように対策をすることが大切です。

3-6. 【デメリット】不動産価格が下落する可能性がある

不動産価格が下落することで、見込んでいた収入が十分に得られないというリスクも考えられます。管理をしっかりと行っていたり、立地が良かったりすると価格の下落が防げることもありますが、購入前には物件やその周辺情報について十分に調べておくことが大切です。

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4. 不動産投資の種類ごとの特徴

不動産投資の種類には、マンションやアパート、戸建てがあります。これらの種類ごとにどのようなメリットがあり、またどのようなデメリットがあるのかをしっかりとおさえておきましょう。

4-1. マンション

マンション投資には、一室単位で購入して分譲賃貸として運用益を得たり、売却による収益を得たりする区分マンションと、マンションを一棟購入して一部屋ごとに貸し出して運用益を得る一棟マンションの2種類に分かれます。

一棟マンションはアパート投資と似た特徴であるため後述しますが、まず区分マンションは初心者が比較的始めやすい不動産投資となっています。一棟丸ごと購入するよりも安価に始めることができ、管理も管理会社に任せることで手間はそれほどかからないのはメリットと言えます。
しかし、空室や家賃の滞納が発生すると収益が得られなかったり、マンション共有部の修繕費用がかかったりする点には注意が必要です。
また、自然災害のリスクも考えられますが、一棟ではなく別々のマンションに分散して複数の物件を持つことで、逆にリスクの分散が可能とも言えます。

4-2. アパート

アパート投資は、アパート一棟を購入して運用益を得る不動産投資で、一棟マンションと似た特徴があります。
複数の部屋を同時に賃貸として貸し出すので、まとまった運用益が得られるのが最大の特徴であり、マンション投資と同じで管理会社に管理を任せることで手間もあまりかからないでしょう。

デメリットとしては自然災害のリスク分散が難しいことや、マンション投資と同じで空室や家賃の滞納が発生する可能性があるということです。
また、ある程度不動産投資の知識がなければ部屋が埋まらないことも考えられるため、まとまった収益が得られるとは言え、リスクも大きい不動産投資と言えるでしょう。

4-3. 戸建て

不動産投資の多くはマンションやアパートを用いたものですが、戸建て投資はマンション投資などと同じように賃貸として運用する以外に、民泊・ゲストハウスでの運用も可能といった特徴があります。

中古の戸建てを購入して運用することが多いため、初期費用を抑えることができます。
空室の可能性があったり、物件の状態によってはリフォームが必要であったりといったデメリットがありますが、初期費用を抑えられることから初心者が始めやすい不動産投資と言えるでしょう。

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5. 不動産投資の物件を選ぶ際のポイント

利回りが高いとその分得られる収益も高くなりますが、単純な利回りだけで決めないようにしましょう。
不動産投資の物件を選ぶ際には、維持管理がしっかりされている物件を選んで入居の継続率を高めるようにしたり、また入居率の高い物件を選んで空室率をおさえたりすることが大切です。

6.初心者が気を付けておきたい注意点

不動産投資では、不正を促すような業者も少なくないため初心者は気をつけなければいけません。
自分はそんなつもりが無くても、業者が書類を偽装・加工することもあるため注意が必要です。また、不動産営業に言われたことをすべて鵜呑みにすることも危険です。
不安に思ったことや疑問に感じたことはなるべくそのままにせず、納得できるまで質問したり、自分で調べたりするようにしましょう。

まとめ

不動産投資は物件を購入し、運用・売却によって収益を得る投資方法です。不動産投資の運用とは賃貸経営であり、家賃収入による運用益(インカムゲイン)を得られます。それに対して、不動産投資における売却益とは、物件売却時に得られる利益額(キャピタルゲイン)のことです。

不動産投資を始めるときは、まず投資目標と投資スタイル・戦略を設定しましょう。投資の計画を最初に立てることで、物件探しや購入の手続きをスムーズに進めることができます。不動産投資を成功させるためには、適切な物件の管理方法を選択することも大切です。
区分マンションや一棟マンションなどのマンション投資をはじめ、アパート投資や戸建て投資もありますが、それぞれの特徴をよく理解した上で、自分にあった不動産投資を見つけましょう。

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